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コラム

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第7回 2006/12/11
短期大学部 デザイン分野
教授 有岡保行
私の受験時代

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私の受験時代の事を書いても、今の皆さんのお役に立てることはないと思いますが、デッサンの勉強をしていて今でも鮮明に憶えていることを書いてみたいと思います。一年間の浪人生活をしている時に塾の先生から、「デッサンは午前中に描きなさい。窓ガラス越しの朝の柔らかな光が、モチーフをゆったりと包むような時間に集中して描きなさい。」と強く言われて、約一ヶ月間、毎日一枚を3時間かけて描きました。朝の新鮮な空気もあったのでしょうが、様々な種類のモチーフを選び、それほど苦でもなく淡々と楽しんで描いていました。柔らかな自然の光がモチーフの全体の輪郭から表面の細かい表情までもくっきりと見せてくれました。様々な素材が光に照らされて、その素材独特の光の反応と言うか反射と言うか、独自の表情として見えてきます。紙、布、金属、プラスチック、ガラス、木などの独特の光の反射がありました。この集中してデッサンを描いた期間に様々な発見をしながら、出来上がった作品を塾へ持参しては先生に批評してもらい、他の学生のデッサン作品をじっくり観察して、上手いなと感じた描き方や表現のテクニックを盗んでは、家に帰ってまた描いてと言う具合に進めました。受験のためのデッサンの勉強ですから、多少の片寄りはあっても、とにかく合格するためのデッサンを描かなければとの思いで勉強していました。短期間の集中方式が皆さんにとって最善の方法とはお勧めいたしませんが、私には合っていたのでしょうか、塾の先生からも徐々に、お褒めの言葉も頂けたこともあってちょっと自信がつきました。当時の芸大の入試にはデッサンだけでなく、立体構成と色彩構成がありましたので、そちらの勉強も塾の先生に課題を頂いて練習しました。

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デッサンが今の私の作品制作にどれほど活かされているのかをはっきり言うことは出来ませんが、作品の構想を練ったりしている時には自然に手が動いて、何かを描いています。そこから発想が展開して行きます。デッサンが物を表現し描写するための基本的な技法であることはその通りだと思いますがそれ以上に、デッサンの勉強を通して、物の形や表情、成り立ち、性格とまで言えるところまで、じっくりと観察することの意味を知ったように思います。



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